このお仕事を目指したきっかけを教えてください。

小学生の頃から困っている人の役に立ちたいという思いがあり、中学生・高校生くらいから医療系の仕事を意識するようになりました。また、人体の仕組みに興味があり、「どこをどうしたらどうなるのか」を知りたいと思っていました。

中でも歯科医師を志した理由は、父が昔から歯が悪く、困っている様子を目にして助けてあげたいと思ったからです。手先が器用なこともあり、この職業に向いていたと思います。

スーパーの入り口を入ってすぐなんですね！

はい。以前はパン屋さんがあった区画に、歯科医院を開業しました。お買い物でスーパーに来た方にも当院のことを知ってもらえますし、ネット予約で初めていらっしゃる方にも場所が分かりやすいと好評です。

この仕事のやりがいや、思い出深いエピソードを教えてください。

つらそうなお顔で来院された患者さまがお帰りには晴れやかな表情になっていると、この仕事のやりがいを感じます。また、そうなることを目指して治療しています。

思い出深いのは、あるお子さまが治療を受けられるようになったときのことです。最初は親御さまに抱かれ、治療を嫌がって胸にお顔を埋めたままだったお子さまが、今ではうれしそうに治療台に上がれるようになりました。治療ができるようになるまで時間がかかったお子さまの場合は特に、私としても感慨深いものがあります。

お子さまが歯医者に通えるか不安な方が多いかと思いますが、なにかアドバイスや気をつけていることはありますでしょうか？

親御さまには、「大丈夫ですよ、ちゃんとできますよ」とお伝えしています。

根拠なく申し上げているわけではありません。当院では、「お子さまとお話ができたので、治療に入ります」「お口を開けられたので次に進めます」というように、ステップを一歩ずつ上っていくようにしています。その日には上れないこともありますが、一気に上れることもあります。今までできなかったお子さまはいらっしゃいません。

回数を重ねるのがもどかしいときもあるかと思いますが、辛抱強くお連れいただければと思います。

一見雑多に見える院内ですが、何かこだわりはあるのでしょうか。

当初は貼り紙も少なく、殺風景な院内でした。しかし、「少し雑然としたお店の中みたいな感じのほうが落ち着く」という患者さまからの声を受け、今の状態へと変化してきました。

通うのが楽しみになる歯科医院にするため、院内の様々な場所に仕掛けがあります。来院したら、楽しいシールが隠れていないかテーブルの裏やカウンターの置き時計などを探してみてください。「お子さまの目線」が見つけるためのヒントです。実は、院内に貼ってあるシールの中には患者さまからいただいたものもあります。

キッズスペースのおもちゃや絵本のほかにも、当院に通う楽しさを見つけてもらえたらと思います。